《幽玄庵》10-易〈断易〉

| HOME | メニュー | 占いについて | 10-易〈断易〉 |

YuzanHokuto Website

Compass of Mind and Soul《 幽玄庵 》

易〈断易〉

・占術名:易〈断易〉-だんえき-
・占術の分類 ☆〈卜〉

■断易とは・・・

易の元になっているものは儒教の基本テキスト四書五経のうち五経の筆頭に挙げられる経典の「易経」にあって、始めに「太極」という根本的な宇宙原理を考え、その「太極」が「陰陽」に分かれて、順次「四象」「八卦」「六十四卦」と展開していきます。易では万物を展開させる要素として、その存在を六十四のパターンに分けて考えます。
断易は、別名「五行易」とも呼ばれ、易卦の爻に十干、十二支を配し(この振り方を納甲という)、五行の強弱によって判断をくだします。「漢易」や「鬼谷易」や「納甲易」とか「三文易」などと呼ばれることもあります。

断易の卦の立て方は、基本的には周易と同じですが、筮竹を使う人は少数で、殆どの占者が3枚のコインか3個の賽子を振って易を立て占断します。

広辞苑に「易の六十四卦の各爻に五行を配して吉凶を判断する占い」と記載されているように、周易を五行哲学の立場から発展させた占術が断易です。あらゆる事柄の吉凶を判断でき、吉凶が発現する時期を占断できるのが断易です。

■断易の歴史

前漢の時代の京房(BC1世紀頃)により断易の原形がつくられて、南北朝時代(春秋戦国時代)に道士の鬼谷子(きこくし)によって始められたと言われています。断易において特に重要視されている書物は、王維徳が書いた「ト筮正宗」の中の「黄金策総断千金武」で、断易の根本理論を解説していると言われています。

日本での断易の最初の紹介は、江戸時代に桜田虎門(1774-1839)が書いた「五行易指南」で、その後、松田昇竜が「ト筮正宗」を抄訳、注釈した「五行易活断」を著し、明治期にもともと周易の研究者だった九鬼盛降(1870年)が「断易精温」と「断易真義」という断易の大系を著しています。(九鬼盛降は戦国時代に活躍した九鬼水軍の23代目の子孫でもあり、古神道にも精通していました。)※(敬称は略しています。)

■断易の特徴

断易は、周易とは対象的に吉凶がはっきり占断出来るというのが大きな特徴です。答えの「イエス、ノー」が、非常にはっきりしている反面、「具体的に、どのような神意や象意が現れるのか?」という問題ごとの真意や将来の得失、機会が読み取りにくい一面も持っています。

■断易の占法

コインを使用する場合は表が多ければ陽で裏が多ければ陰となり、賽子を使用する場合は奇数が多ければ陽で偶数が多ければ陰となります。そして、コインが3枚とも表ないし裏だったり、賽子が3つとも奇数ないし偶数が揃った時は、その爻は「動爻」となります。

卦は、基本的に周易と同じです。まず「用神」を決めます。これは、占問の内容によって、六親五類の中から選ばれます。六親五類は、「父母」、「兄弟」、「子孫」、「妻財」、「官鬼」からなり、さらに「世爻」、「応爻」からも用神が決められることがあります。卦の各爻には、十二支と六親が振り分けられます。

用神が決まれば、その用神が割り当てられている爻の十二支を見て、占った月日の月の十二支(月建)と日の十二支(日辰)を比較し、五行の強弱を見て、吉凶を決めます。五行の強弱を決める時、用神の爻の十二支と比較するのは主に月日の十二支ですが条件により、動爻と呼ばれる他の爻とも比較して決めることもあります。五行の強弱は、相生や相克の他に、合沖、三合開局などにより決められます。