《幽玄庵》03-霊の種類

《霊の種類》 kind of soul

人の肉体が滅びても、魂はすぐにあの世に行けるものではありません。簡単に霊界へは行くことができないのが現実です。霊界に行けない霊は、どうしているのかというと現実界に共存する幽界で、彷徨うことになります。この未浄化の幽体は、時には人に縋り付き(取り憑き)、時には人と同じ行動を起こします。これを、一般的に目視できないものを「霊」といい、目視できるものを「幽霊」とか「オバケ」と表現をしています。
人に縋り付いている霊が全て悪い霊というわけではありません。縋り付いている霊の中には、憑きたくて憑いている霊でない場合も多々あり、人が霊を呼び寄せ自分自身に憑依させてしまう場合もあります。

■〈善霊〉

●主護霊(守護霊)
主に精神面に強い影響を与えるとされています。
従来は、特定の人に憑くと生涯替わらないとされてきましたが、その人の霊魂がレベルアップすれば替わる場合もあります。
現実界の人間に運をもたらし、災いや厄難から守ってくれている霊のことです。

● 指導霊
主に行動や物質面に強い影響を与えるとされています。
通常は複数の霊が憑いているとされていますが、一定ではありません。指導霊は替わるサイクルが早いとされて、その人が強い意思で自分をコントロールすると別の人へ移動するとされています。
現実界の人間の趣味や特技や職業などに、主護霊に協力して学びや努力のサポートをしてくれている霊のことです。

■〈悪霊〉

宗教的には、死後の魂が昇天や成仏のされていない状態やその存在で、幽霊や怨霊ともいう。
● 浮遊霊
故人が自らの死に気づかないことにより、生前に残した怨念や未練のままに現実界を彷徨い続けている霊のことです。
また、現実界の人間が故人を惜しみ過ぎて、その「念」が強すぎることで浮遊霊となる場合もあります。例えば、「本人に過失がないのに巻き込まれた事故」による死などの場合、現実界に未練が残っていたり、怨みを抱いてしまった時に同じ思いをさせようと見境無く憑依することがあります。

● 地縛霊(自縛霊)
何らかの事情で浄化や昇華ができず、幽界から霊界へ行くことができずにその場に存在し続ける霊のことです。
例えば、事件や事故や自殺などで亡くなった方が、死亡したその事実を認識できずにひたすら自殺を繰り返したり、その場を通りかかった他人の体を使って同じ行為を誘発することがあります。
「交通死亡事故多発地帯」や「自殺の名所」などの、よく言われるミステリースポットは、地縛霊の悪戯場所といえます。

● 生霊
現実界の人間が他人に対して邪な妬みや憎しみや悪意を持ち、その強い思いが幽体として相手に取り憑いた霊のことです。
例えば、「あいつさえ居なければ」とか「あいつが居るから」との邪念が、生霊として相手に取り憑き、病気や怪我や不幸な出来事を相手にもたらすことがあります。ただし、相手が清らかな心も持ち主で何の非もないような場合や、相手の持っている波動がより強かった場合には、そのまま跳ね返ってくることもあります。

■〈善にも悪にも成りうる霊〉

● 先祖霊
文字通り先祖の霊のことです。
一口で先祖と言っても、何代も遡っていけば幾重にも分かれてしまいますので、この場合の先祖霊というのは直系(父方と母方)に連なる先祖の霊のことです。
現実界に強い執着を持ったまま昇華できていなかったり、よほど過去に悪業をしたり、難苦して非業の死を向かえた方がいない限り悪霊として取り憑くことはありません。浄化、昇華して霊格の向上した先祖霊は、守護霊や他人の指導霊となって善霊としての役目を担ってくれます。

● 動物霊
字のごとく動物の霊のことです。
人間も動物の一種ですが、この場合の動物霊というのは家畜や野生の生き物の霊魂のことではなくて人間と生活を共にしていた愛玩動物(ペット)の霊のことです。例えば、愛情を注いで可愛がっていた犬が亡くなった後、背後霊に加わり「災難から守ってくれた」とか「幸運をもたらしてくれた」というようなことがある反面、虐待などをして死に至らしめた場合などでは悪霊となり「不幸な出来事」や「災難に遭う」ようなことがあります。

■〈神霊〉

● 神社に宿る霊
由緒正しい神社には「天界」から、鎮守神や産土神や氏神と言われる高い神霊が宿っています。
○鎮守神とは、各地の一定の地域に鎮まっている神(高位の神霊)のことで、全国各地に配置されています。移転や引越し先、職場や会社の所在地などの、その地域と深い関わり合いを持つ神霊です。
○ 産土神とは、その人が生まれた地域に鎮まっている神(高位の神霊)のことで、産土神社へ初宮参りに赴くことで始まる、その関係は一生変わりません。どこの地に移転しても一生涯、護ってくれて導いてくれる神霊です。
○ 氏神とは、現実界で著名な功績や人徳を積み、昇華して霊格の向上した高位の神霊を神としてお祀りしたものです。