《幽玄庵》03-神社の名称や社号

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《神社の名称や社号》

神社の名付けられ方には、いくつもの種類があります。
もっとも一般的なのは地名(伊勢神宮など)で、祭神名(稲荷や八幡など)を冠するものも多くあり、それらの神社には社名に加えて地名(伏見稲荷大社など)を冠することが多く見受けられます
他にも奉斎する氏族の名前(倭文神社など)を冠するものや祭神に関連する語句(平安神宮など)を冠するもの、神社の種別(招魂社や祖霊社など)を表すものがあり、祭神の座数(四柱神社など)によるものなどがあります。
また、名付けられ方の由来がよく判らない神社名も多くあります。

〈神社の名称〉

原則として、すべての神社を「〜神社」(宮や神宮を除く)と称するようになったのは、近代になってからのことです。神名(〜明神や〜権現など)を社号としていたところや、「神社」の部分が省略(〜稲荷や〜八幡など)されていたところなどがありましたが、すべて原則として「〜神社」と称することになっています。
排仏政策により、統一化が諮られたようにも言われていますが、実際は第二次世界大戦が終戦するまで、神社は国家が管理をする施設であって法令上の制約された規則もあり、神社と認められるには国が求める設備内容や財産などの条件があって、それ以外は「神社」とは認められなかったのです。
神社の名称には、音読み(八幡宮=はちまん、浅間神社=せんげん)と訓読み(八幡宮=やわた、浅間神社=あさま)の場合がありますが、音読みで社号を読むのは元々仏教の影響です。元来は訓読みをしていた神社名が、神仏習合時代の仏教の影響で音読みとして定着することとなったもので、天満宮などの場合は、祭神名の天満天神自体が仏教の影響を受けているために、漢語の社名になっています。

〈社号〉

統一した基準はありませんが、神社の中でも、規模の大きい神社は神宮や大社と称されていて、祭神はメジャーな神の場合が多く見受けられます。
天皇や皇室の祖先を祭神とする神社を神宮と称し、天皇家につながる皇族を祭神とする神社は宮と称される場合が多く見受けられます。

戦前は出雲大社のみが大社を名乗っていましたが、戦後になってからは旧官幣大社や旧国幣大社、旧官幣中社の神社の一部が大社を名乗っています。
昭和20年以前は、神宮などを名乗るためには勅許などが必要でしたが、現在は法律による政教分離政策によって国家や皇室が直接神社に関与できなくなったため、特に許可を得なくても大社や神宮と称することができます。
現在、大社と称している神社は、出雲大社、熊野大社、気多大社、諏訪大社、南宮大社、三嶋大社、富士山本宮浅間大社、多度大社、日吉大社、多賀大社、建部大社、松尾大社・伏見稲荷大社、住吉大社、春日大社、龍田大社、広瀬大社、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、宗像大社、高良大社などがあります。
また、表記が定まっていないが大社と称している梅宮大社や大鳥大社もあり、平野神社のように扁額に「平野大社」と標している神社もあります。
昭和20年以後になって新たに神宮を名乗るようになった神社には、北海道神宮、伊弉諾神宮、英彦山神宮があります。

〈神職〉

神社祭祀の施行者が神職(神主、宮司、禰宜、権禰宜など)と称される宗教者ですが、神道の祭祀の施行者は、仏教やキリスト教などの宗教者と違って布教的性格をもたないのが一般的です。従来から、小規模な神社には専従の神職がいることは少なく、氏子が神社を建造して管理もしながら、祭事期に縁のある神職を呼んで祭祀を行っていました。また、神宮寺があった場合などは、神宮寺の僧侶がその神社の管理、祭祀を行なっていました。