《幽玄庵》スピリチュアリティ

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Compass of Mind and Soul《 幽玄庵 》

スピリチュアリティ spirituality

スピリチュアリティとは、霊魂などの超自然的存在との、視覚として見えないことのつながりを信じることや、または感じることに基づく心霊主義などの思想や実践の総称です。

■ 歴史的背景

スピリチュアリティは、特にイギリスで1980年代より始まったといわれるチャネリングが始まりとされています。 日本では 1990年代前半にニフティサーブ(NIFTYSERVE)内のルーム ARION 等がチャネリングの紹介場として交流を始めましたが、当時はまだ精神世界の一部分として認知されていた程度であり、一般への理解や普及には壁となる部分が大きかったものです。 1990年代後半、 VOICE出版社より バシャール(BASHAR)関連の本が発売された事により、スピリチュアリティと無関係だった一般市民への関心が高まると共に、普及に向かうきっかけになったと思われます。同時期に「聖なる予言」や「神との対話」等、スピリチュアリティを扱う本が立て続けに刊行されたことにより関心を集め、さらに独自の思想と解釈で展開する人達も現れてきて、現在に至っています。

スピリチュアリティは、社会現象としてみると、占いや瞑想などとの関係が深く、「霊魂や神はいると思うけど宗教団体に所属して信仰を持つつもりは無い」というような人々の心理的思想や実践ともいえます。 その意味で、スピリチュアリティとは、非宗教分野での擬似宗教的な実践や、組織性を有さない擬似宗教的な思想と見ることもできます。
スピリチュアリティは鈴木大拙などのいう「霊性」や「神秘主義」という概念と親和性があり、宗教の基盤や根底をなすものであるものとも考えることができます。

一方、スピリチュアルコンベンション(すぴこん)などの大衆的なスピリチュアリティの出現とともに、パフォーマンスに走る自意識過剰者や狂信とも言うべきスピリチュアリティも多く見られ、崇高な宗教性を背景として持っていた鈴木大拙などに比べると、その精神性の貧困さを指摘する声が多いのも事実です。

■ 学術的研究

宗教学や宗教社会学の分野では、島薗進などの宗教学者のスピリチュアリティ研究も古くから注目を集めてきました。近年では、「宗教と社会」学会スピリチュアリティ研究プロジェクトの代表研究者である弓山達也や樫尾直樹などとスピリチュアルデザイン研究所を中心とした研究グループをスピリチュアリティ学派と呼び、 非宗教分野での擬似宗教的な実践としてのスピリチュアリティへの関心は、非宗教分野での研究者からも広く注目されるようになっています。

特に医療や教育などの分野では、特定の宗教色のない精神性への要請から、弓山達也、日比野由利、木原活信、牛久保美津子などの多様な背景の研究者が、政府の研究助成などを受けるなどしてスピリチュアリティ研究を進めています。日本人のスピリチュアリティ観には個人差が大きいものの、共通項として、1・自然と人の対比、2・自然への畏敬の念、3・祖先との関わり、4・個人の内的強さ、5・特定の宗教を持たないでいても何か絶対的な力の存在を感じること、などがあげられます。

スピリチュアリティの定義は現代心理学では、西洋の思想や文化のフィルターを経て認められている要素を表したものといえ、この定義は人類にある程度普遍的な要素を含んでいるともいえます。

近年、心理学や医学、看護学などの領域で活発になってきたスピリチュアリティ(霊性)に関する質的、量的な研究では、スピリチュアリティがきわめて多義的な概念であり、それが多様な要素から構成されていることがわかってきています。
心理学や医学に関するデータベース サイトで検索してみると、1990年代後半からスピリチュアリティに関する研究論文の数は増加傾向にあり、これらの領域の研究者がスピリチュアリティについて積極的に研究に取り組むようになってきているといえます。