《幽玄庵》05-算命学

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Compass of Mind and Soul《 幽玄庵 》

〈算命学〉

・占術名:〈算命学〉-さんめいがく-
・占術の分類 ☆〈命〉

■算命学とは・・・

算命学は、中国で長年続いた戦国時代に生まれ、自然思想や哲学、運勢理論を学問として集大成したものです。
過酷な戦乱の時代に、命を計算する法として「算命」と名づけられた学問は、秦の始皇帝により、秘伝として門外不出とされながら、各王朝に継承されつつ推考を重ねられて、算命学十六元法として体系化されました。

算命学は長い年月の間、中国の各王朝の内部のみで一子相伝で伝えられていましたが、中国国内で中国政府による文化大革命の動きが始まった時、中国国内の算命学師は弾圧を恐れて国外に退避してしまいました。その結果、算命学発祥の地、中国での算命学が途絶えることになりました。

現代日本での「算命学」は、弾圧から逃れて日本に渡って来た中国の算命学師から算命学を学んだ日本人が、算命学の古典理論を基礎に、独自の道教的な理論を加えて独創した運命理論を体系化した占術と言えます。

■算命学の歴史

2300年前の中国の戦国時代に「鬼谷子」が軍略書として著した「揣摩の法」が、現在に伝わる算命学の原典です。
鬼谷子の教えは、蘇秦や張儀の弟子達に受け継がれ、古代中国王朝の帝王学として軍略、政治、行政や処世術に用いられ、戦国の時代に多大な影響を与えています。

文化大革命が勃発するとともに、中国国内での難を逃れるために算命学師の呉仁和が日本に渡来して伝えられたのが、占いの技法としての算命学理論です。日本で算命学が占術として完成される基になっているものです。

日本での算命学は、高尾義政(1941〜1990)が算命学師の呉仁和から得た知識に、独自の理論を加えて創作し、完成させたものです。現在は、占術としてのいくつもの流派や系統が存在しています。※(敬称は略しています。)

■算命学の特徴

算命学は、子平、八字、命理(四柱推命)などと同じ起源を持つ、同根と考られれますが、四柱推命と大きく異なるところは、生時を使用しないところと、独自のシステムとして体系化していることです。

他にも四柱推命とは異なる独自の技法を用いているところが多々あります。算命学の最大の特徴は、四柱推命の通変性と12運の要素を、表(システム)として四柱推命の複雑な理論を省いて判りやすく表現しているところです。言い換えれば、初心者でも理解できるように考えられたものです。

四柱推命では干支の複雑な要素を、判断するのに知識と経験が必要ですが、シンプルな表(システム)を使用している算命学は、個人の運命を概略的に予測する占法としては便利な占術と言えます。

■算命学の占法

まず、独自の暦を使用し「人体星図(生まれ持った宿命)」と「陰占宿命」という表を作成します。中心星(四柱推命の元命に相当)に入る10大主星(10種の星 貫策星、石門星、鳳閣星、調舒星、禄存星、司禄星、 車騎星、牽牛星、龍高星、玉堂星)と周囲の命星に入る星との相性により、良し悪しを判断します。

次に12大従星を用いて、詳細な判断をします。12大従星はエネルギーの強弱を意味し、12段階に区別します。「12大従星」は四柱推命の「12運星」に相当し、天報は胎、天貴は長生、天恍は沐浴、天南は冠帯、天禄は建禄、天将は帝旺、天堂は衰、天胡は病、天極は死、天庫は墓、天馳は絶と意味は同様です。命星の補佐的な役割をもっています。

占断は、人体星図を中心とし、陰占宿命、天沖殺、12親干法などの組み合わせで、総合的に判断します。算命学の構成はシンプルで、理解しやすいように体系化された、生年月日から、個人の運命を予測する占術です。